ヌーソロジーの基礎を再確認!

【ヌーソロジー基礎】持続としての奥行きが幅を見ている様子が、下・上図の左の図です。奥行き方向は原点Oと同一視されて感覚には上がりません。次に奥行きの方向が左側に90度回転するとどうなるでしょう。奥行きだったところには幅がイメージされ、元の位置に主客の分離感覚を作り出してきます(下・上図右)。
  
【ヌーソロジー基礎】さて、「見るもの(奥行き)」と「見られるもの(幅)」の区別ができたところで、わたしたちが普段、3次元空間と呼んでいるものを図で示してみましょう(下・下図)。3次元空間はすべて「幅」で構成されているわけですから、当然、その座標軸も赤線で示されることになります。
  
【ヌーソロジー基礎】もう分かると思いますが、私たち自身の精神がそこに住み着いているにもかかわらず、私たちは見る空間としての奥行きの空間を全く意識化できていないんですね。幅の3次元には奥行の3次元が同時に重なっています。まずは、その事実に気づくことが重要です。
  
【ヌーソロジー基礎】幅の空間で世界を覆い尽くし、その空間認識で世界を体系づけることをヌーソロジーでは「付帯質的統制」と呼びます。唯物論的世界観のことですね。そこは「見るもの=精神」が存在しない世界です。付帯質的統制の世界では精神は物質として現れます。
  
【ヌーソロジー基礎】物質の本性は、人間の外面に方向を持ち、そこから持続空間を組織化していった知性の働きにあります。これがヌーソロジーがヌース(能動知性)と呼ぶものです。物質の基礎の素粒子が複素空間でしか記述できないのも、物質の始まりが人間の外面側に位置付けられているからです。
 
付帯質的統制の世界は世界で一生懸命に生き、一方で空間を精神化させていく知性を芽生えさせていく努力が必要だと思います。根気のいる作業になりますが、いずれ、その知性が物質となって内側から立ち現れてくる地平が開いてくるはずです。主客一致の認識というヤツですね。
 
そのとき、「それをそれ自身のほうから現れてくるとおりに、それ自身のほうから見えるようにする」というハイデガーの言葉の真意も、多くの人に共有されるようになるのではないかと思っています。

人間の外面と内面
3次元空間のイメージ