アシュラ・ファウンデーション

 一昨日は佐藤くんの「サージウスの死神」出版記念パーティーのために東京に行ってきた。
まだ、東京に出て半年も満たないというのに、佐藤くんには素晴らしい仲間がたくさんできていた。細身の体で気合いの入ったパーカッションプレイを披露してくれた道化師(佐藤君の弟)。その道化師の体にまるでヌバ族の戦士がするようなペインティングを行ったイナズマくん、それから、DJのニッチーくん、迷彩服を着込み舞台監督のようにしてずっとステージを見つめていた前野さん。。アシュラ・ファウンデーションと名付けられた強面手の五人組だが、パーティーは彼らのカラーがよく出ていて、会場はさしずめ60年代後半のアンダーグラウンド・カフェのような雰囲気を醸し出していた。作家としての佐藤君の恩師でもある河村御大も登場。佐藤君の門出を祝うスピーチを披露した。

 佐藤くん曰く、「メジャーとは”測り”の意味でもあるんですよ。寸法を取って測かるのがメジャーのやり方。マイナーは測られたいと思っているけど、僕らは違うんです。アンダーグラウンドは測られ得ぬものですから。」

 会場にはメジャーの象徴たる講談社の編集者のお歴々も出席していたが、このパーティーをどんな目で見ていたのだろう。わたしは文学の動向には全く詳しくはないが、少なくとも「世界の中心で愛を叫ぶ」などといった作品が幅を利かせているところを見ると、こと創造性に関する業界の将来性はゼロに等しいのではないかと思われる。これに関しては、パーティーに誘った当のS学館O氏も同意見だった。「今の編集者は数字をまず最初に考えている。その時点で物語は死ぬんですよ。僕は何とかビジネスにハートを入れたいと思っているのだけど、佐藤君たちは精神でクリエイトしている。それがすごいし、とても刺激になった。来てよかった。」O氏はパーティーの後、しみじみと語っていた。

佐藤くんが率いるアシュラ・ファウンデーション。メジャーをアンダーグラウンド化することが果たしてできるのか。これから、彼が日本の文学業界(それ以外もありかも)で一暴れするのを是非、見てみたいものだ。もちろん、こっちもアングラならぬビヨングラ(beyond ground)で疾走するつもりだけど。。