見るものと見られるものが一致する空間から本当の宇宙が現れてくる

ヌーソロジーのいう「バイスペイシャル認識」とは、対象を担保している空間(幅支配=時空)と主体を担保している空間(奥行き支配=複素空間)の二重性を意識して空間を感じ取ることを言うのだった。
 
たとえば、一つの物をじっと見つめているとき、自分が物を見つめているのか、物が自分を見めているのか分からなくなってくる経験を誰もがしたことがあるのではないか。これは、視点それ自体が事物と一体なっているということの認識とも言える。
 
ヌースに登場する「表相」という概念もそれに近い。非局所的線分(精神の位置)と局所的線分(物質的線)が対象の奥行き部分に重なって現れているのだ(下図参照)。
 
このような認識のもとでは、知覚はもはや表象ではない。
 
こうした新しい空間認識のもとで、主客一体の世界観を具体的に作っていくことがヌーソロジーがやりたいことだ。また、それが新しい時代の霊的認識と呼ばれるものでなければならない。
 
複素空間は無底の空間だ。この無底にこうした一本の抽象線が引かれることによって、人間側から言うなら、物質は構造化されていくし、構造側から言うなら、構造は解消されていく。
 
立ち入り禁止区域の立て札はすでに外されている。
 
侵入を開始しよう。

表相と位置の交差