ホセ・アグエイアスの「時間をはずした日」

ホセ・アグエイアスが作った「13の月の暦」に「時間をはずした日」という考え方がある。13の月の暦は28×13=364からなり、1年365日に一日足りない。この不足分の1日を時間の制約から逃れる日として、アグエイアスは聖なる日と考えた。
 
専門の研究家からすればオカルトの類に見えるのだろうが、この1日の意味は理性が考えるよりも遙かに深い。それは地球の自転と公転を円心関係に置き換えてみればすぐに分かる。この1日は両者を等化する回転を意味している。
 
天体周期は直線化した時間概念ではいかなる意味も持たせることはできないが、持続空間(存在)からすれば、精神の秩序を表現するものである。
 
太陽とは、ハイデガーの言葉で言うなら、隠蔽された存在の表現である。しかし、わたしたちはまだ太陽を存在者としてしか見れていない。太陽を存在の力へと性起させ、文字通り非隠蔽化させたとき、自然はフィシスへと生まれ変わる。
 
アグエイアスの「時間をはずした日」とは、その生まれ変わりの日を象徴するものだ。神道で言うなら、これは歳神のようなものだ。
 
この聖なる日において何が起こっているのか。これは自己と他者における無意識にある接触の位置と考えるといい。OCOT情報では、その位置のことを精神が精神を交差する位置と呼んでいる。この交差によって、持続空間(存在)は人間の意識に時間(存在者の位相)を送り出す。
 
これは、人間の原初的な時間感覚が一日における日の巡りによって起こっていることを意味している。時間の中で太陽や地球が回っているのではなく、太陽と地球あってこその時間だということ。それを推して知るべし。下図は一年と一日の円心関係を表した図。
 
理性に対して聖性を対抗させる時代はもうとっくの昔に終わっている。これからは、理性が生み出したものが十分に聖性に値するものであるということを語ることのできる新しい言葉を紡いでいくこと。ロゴスのヌースへの変容は、そのようして起こってくる。

地球空間と太陽空間の反転関係