【シュタイナー思想とヌーソロジー】ピックアップ解説 1

今回からシュタイナー思想とヌーソロジー本の解説を6回にわたって行っていきます。

■シュタイナーが言う霊視力とは、幽霊やお化けを見るというような曖昧なものではありません。シュタイナーが言う霊視力とは、この物質世界の背後にある高次世界を直接知覚する能力のことです。―p.42
 
一般的には、「霊」という言葉は地縛霊とか守護霊とか心霊スポットとか言うように、極めて表象的にイメージされている。シュタイナーのいう霊とはドイツ語でいうGeist(ガイスト)のことであり「精神」の意味だ。そのような世俗的な意味での「霊」としてイメージしないこと。
 
ヌーソロジーでは「霊」のことを基本的には「精神」と呼んでいる。それは「わたし」という存在のすべての根底にある純粋な力としか呼びようがない。哲学の言葉で、「純粋持続(ベルクソン)」や「根源的時間(ハイデガー)」と呼ぶこともある。霊として思考するに当たっては(「純粋思考」と呼び、普通の思考とは区別する)、まずは、この純粋な根源感覚に感応することが極めて重要だと思われる。
 
■霊視力が対象とするこのエーテル空間は、純粋な物質世界とは言えず、物質世界と高次の霊的世界との境界領域です。このエーテル空間において、物質原理と人間の意識原理の混合が始まります。―p.42
 
霊視力が最初に見いだすのは、シュタイナーに拠ればエーテル空間です。これをシュタイナーは物質空間(時空)に対して反転した場所と見ています。ここにヌーソロジーは反転した時空としての素粒子空間を見ます。つまり、素粒子空間とはシュタイナーのいうエーテル空間に相当するということです。
 
「そこでは物質原理と人間の意識原理の混合が始まる」とシュタイナーが述べるとおり、ヌーソロジーは素粒子空間を人間の無意識構造が作られている場所と見なします。
 
ヌーソロジーでいうトランスフォーマーが行っていく作業は、シュタイナーの言葉を借りるならば「霊視」に対応してきます。それはエーテル組織の知覚化ということになりますが、それがヌーソロジーが「次元観察子」と呼ぶもののことではないかと解釈しています。

シュタイナー思想とヌーソロジー