27年ぶりの再会

先日行った東京ヌースレクチャーにとても懐かしい方が来てくださっていた。建築家の近澤可也氏だ。近澤氏は東大の丹下研究室の出身で、あの世界的に有名な代々木オリンピックプールの設計・デザインにも参加され、丹下魂を日本の建築界に継承している著名な建築家の先生だ。
  
ちょうど『シリウス革命』を出版した直後だったろうか。氏からうちで何かやってくれないかとお呼びがかかり、中野にある近澤氏のパンデコンデザインセンターでレクチャーもどきのことをやったのを覚えている。実に27年前。僕がまだ40代のときだった。
  
あのときのうれしさは今でも忘れていない。グリーンを基調としたパンデコンセンターの建物。階段の踊り場のリノリウムの匂い。今でもあのときの風景が昨日の出来事のように蘇る。
   
一通り話を終えた後、近澤氏の方から「とても面白いよ。すごいね。これからも是非、頑張って」と言葉をいただいた。当時は、ヌーソロジーも今以上に怪しげな思想だったし、おまけに、こちらは40そこそこの若造だ。近澤氏にエールをいただいたことがどれだけ自信になったことか。
   
Facebookやツイッターでは挨拶させていただいていたが、直接的には、あれから一度もお会いする機会はなかった。氏の御厚情に心より深謝したい。