AdS(反ドジッター)空間の正体

今考えると、ここで示されている空間がAdS3の反ドジッター空間に対応しているように思えます。内包空間と外延空間が球面状の鏡を通して鏡像的な関係を表現していますね。これはヌーソロジー的に考えると、自己側のψ6から見たψ*6の空間と言えます。球体に映る風景の中に他者を置けば、それは一目瞭然ですね。

私たちが他者視点と自己視点を同一化させて空間を見ている意識状態は、このような空間に自分を投げ込んでいることを意味するのです。まさに物質の内部です。

空間を尺度でしか見ない近代理性による思考の位置です。物質の内部に閉じ込められているというイメージがこの写真には端的に現れていますね。
どういうこと言ってるのか分かりますか?

自分も他者と同じ肉体を持った人間だと見て、他者存在と自分を同一の空間の中に見てしまうと、この写真で示したような空間に閉じ込められてしまうということですよ。私たちの意識は今そういう状態にあるのです。そのことをまずは自覚しましょう。

そして、ここから元の空間の方に戻る方法を考えるのです。そこが本来私たちが生きている物質の外の空間です。
ここでいう「元の空間に戻る」とは、他者世界への自己の投影を通じて生じた物質的空間から抜け出し、自己の主観的、内包的な意識を回復することを意味しています。

現状のAdS空間の認識を逃れて、本来の持続的な意識の流れ(内包空間)に戻る必要があるということです。
その空間に出ることは、ヌーソロジー的には奇数系の観察子の流れ(ψの奇数系列)に移行し、物質世界を外部から見ている本来の意識を取り戻すことです。

AdS空間が私たちの意識を閉じ込めている状態とは、物理的には重力場の束縛に他なりません。重力は、私たちが物質としての自分を他者と共有する意識構造を象徴していると思って下さい。
しかし、そこから抜け出し、光速度状態に到達する意識を取り戻せば、内包的な空間が開かれ、私たち一人ひとりの中に自由で調和的な認識が生まれてきます。

人間の意識を物質意識から解放しましょう。知性に縛られたものは、その知性を超える知性によってしか解放されることはないでしょう。
能動知性(ヌース)とは、そのような知性のことを言うのです。