世界を内側から見るために

核子と電子殻という原子構造の由来はNC(ヌースコンストラクション)にあるというのが現時点でのヌーソロジーの予想だ(下図参照)。中央の球空間の対化(二つの相互反転した球空間が重なっている)の等化性が核子を作り、両側の球空間(同じく相互反転している)の等化性が電子殻の基礎を作り、これら双方の高次の等化性が原子を構成していると考えられる。これらは自己と他者それぞれにおける意識における対象極と自我極のことを意味している。

OCOT情報は原子のことを「ヒトの精神構造」と呼んでいるが、この場合、「ヒト」とは主客関係を等化している意識を持つものと考えていい。主客一体の認識を果たしている意識のことだ。核子による電子の捕獲は、意識におけるこの主客一致の認識の発現を意味している。この意識の発現の契機となるのが、ヌーソロジーが「次元の顕在化」と呼ぶもののことだ。

「次元の顕在化」とは、人間の経験的意識を稼働させるために裏で働いている超越論的無意識の構造が意識化されてくることをいう。ヌーソロジーが次元観察子と呼んでいるものは、この「顕在化」をもたらす概念の形式だ。原子の下部構造とも言える素粒子の構造は、その意味では次元の潜在化に当たる。「潜在化」とは、物質意識に陥った人間の経験的意識を精神の場である次元へと裏で変換性として働いている、といったような意味である。

ここでいう「次元」とは、空間に内在する精神の構造と言い換えてもいい。私たちが物質と見ているものは、この空間に内在している精神構造の射影だ。もちろん、ここでいう空間に内在する精神とは持続空間のことであり、延長を住処としている私たちの意識にとっては、この持続空間へのポータルは「奥行き」として現象化している。延長空間で宇宙を思考することはそろそろやめにして、この持続空間において宇宙について、そして、自己についてRethinkせよ!!というのが、ヌーソロジーからのアジテーションである。

この、奥行きとしての持続空間は物理学では虚軸として表現されている。そこから考え直すということは、虚空における思考を開始せよ、ということでもある。私たちが実として経験している世界のルーツは虚にあるのだ。実の世界は虚の世界にとってみれば、ほんの表層に過ぎない。
この虚空の思考のみが、主客一致の意識が息づく元素界への侵入を可能にする。

こうした虚空における生成の思考は自己を経験したものにしか作り出すことができない。自己の淵源はこうした生成の思考の場と繋がっている。私たちが営んできた従来型の思考は、いずれそのすべてがAIの独断場となってくる。AIにできない思考を持ちたい人は、是非、この虚空の思考へと赴くことをオススメする。きっと、”世界”としての新しい自己に出会う旅になることだろう。

ヌースコンストラクション