『人間の内面と外面 1』——あなたはどちらの果実を食べますか?

人間の内面と外面の解説に使っている二つのリンゴの図。その図について、一通りジピと議論した後、いつものように、議論の結論をアートワークにしてもらった。
これもなかなかの傑作。
右半分が人間の内面、左半分が人間の外面と解釈できそうだが、どうだろうか。
赤のリンゴと緑のリンゴは何を象徴しているのか、と考えてみるのも面白い。

・空間にセクシャリティーを見ること
この「人間の内面と外面」というアートワークは、ヌーソロジーでいう人間の外面と内面という概念が持つ雰囲気を分かりやすく伝えるためにメタファーとして表現したものだ。

今の私たちは、右側に描かれた領域を拠点にして、世界の成り立ちを思考している。いわゆる科学主義が持った客観ベースの考え方だ。骸骨が象徴しているように、この世界は基本的に神の死霊が活動する世界である。
生の実存という観点から考えれば、世界の土台がある場所は全く逆だ。左側に描かれた領域のような、流動的な色彩や形に満ちた主観的世界がベースとなって、存在の本質はある。

ヌーソロジーが問題としているのは、こうした二つの世界を繋いでいるものは一体何かということだ。
今はこの両者の間に亀裂が入っている。その亀裂に位置しているのが「人間」という存在だと言っても過言ではない。
両者を繋ぐためには、科学のように右側から左側へと至ろうとするのではなく、左側から右へと至ろうとする衝動が必要だ。芸術がそれを担っている。

しかし、芸術は方向性を指し示しはするが、力が足りない。そこにはやはり、新しい純粋思考が必要なのだ。
その思考によって、これら両空間の繋がり方が詳かになったときに初めて、二つの世界は調和を見い出し、そこに、世界の原風景が戻ってくるのである。
その意味では、この作品は楽園から追放されたアダムとイブの姿だと言っていいだろう。
失楽園の描写なのである。