反-芸術の世界へ

アーティストの方にはお叱りを受けるかもしれませんが、AIの能力はイメージの生成においても、すでに人間を追い抜きつつあるのではないかと感じます。
しかし、決してこれは悲観することではなくて、人間を今までの人間とはまったく違った場所へと移動させるための歴史的必然のようにも思えます。

「芸術とは見えるものを再現するのではなく、見えないものを見えるようにするものである」というクレーの有名な言葉がありますが、これから人間はそれを超えて、「見えるものを見えないようにする反-芸術」というものの世界に向かっていくのではないでしょうか。
ヴェイユが言うところの脱-創造の世界です。

もし、歴史の中で宗教と芸術のポジションが入れ替わっていたなら、世界はもっと喜びの感情に満ち溢れた世界になっていたことでしょう。
芸術家が僧侶で、作品が寺院であったなら。。

しかし、それはついに叶わなかった。
今から生まれてくる反-芸術運動とは、こうして死滅しつつある芸術の弔い合戦となっていくことでしょう。