5月 29 2019
『2001年宇宙の旅』の続編
ヌース映画本『奥行きの子供たち』では触れませんでしたが、映画『2001年宇宙の旅』には続編があります。それがこの『2010年宇宙の旅』です。監督はS・キューブリックではなく、『カプリコン1』などでも有名なピーター・ハイアムズ。
『2001年宇宙の旅』があまりにも傑作だったためにかなり不評でしたが、個人的にはとても好きな作品です。特に、ラストの方で木星から無数のモノリスが増殖しはじめ、最後には木星を埋め尽くし、反転して第二の太陽へと生まれ変わるシーンはヌース的にもチョー美味しかったです。あと、HALが自ら犠牲となって高次元知性と化したボーマンと一体化していくところも、かなり感動的です。
ヌース的視点で見ると、『2001年宇宙の旅』に続く、この『2010年宇宙の旅』も人類のこれからの未来を強く暗示している作品に見えますね。
ほんとは本に入れたかったのだけど、ページ数が限られていたので書けなかった。うぅ、残念。
5月 31 2019
離別しつつある円と直線―最近の実在論にはついていけない
内部と外部の遮断問題は円と直線の関係に集約されていると思っているのだけど、最近の実在論(メイヤスーのSRやハーマンのOOO)というのは結局のところ、円を棄却する方向に向いているのだな、と。円にとって直線は微分された世界でしかなく、円を失えば直線は自分自身の根拠を失うと思うんだけどね。
これって、地球を出て宇宙植民で生き延びようとするアウタースペース的発想と位相同型かもね。彼らは、それこそ〈地球=大地の意義〉になど何一つ関心がなくて、ただの環境ぐらいにしか思っていない。円から離脱した直線はどこに向かうのかね。
円と接線というのは、哲学的には相関主義のシンボルのようなもので、相関主義を乗り越えるためには結局のところ、直線を選択するか、円を選択するか、その二つしか道はなくて、21世紀の哲学は直線の選択に大きく傾いているってことなんだと思うよ。ヌーソロジーは真逆で、円を選択しているんだけどね。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0