2月 15 2019
ただいま、「ヌース映画本」の最終調整が進行中
今度の「ヌース映画本」にはヌーソロジーお得意のややこしい空間構造論というのはほとんど出てこない。読者を限定してしまうからね。あと、物理学関連の話もほとんど出てこない。数式が入ると読者は1/10に減るという話なので。それでヌーソロジーをどう語るというのか。なかなか工夫がいる作業だった。
最初に企画を立ててくれたのは、『シュタイナー思想とヌーソロジー』でもおなじみの音楽プロデューサーの江口氏で、出版社選定の段階で進行が頓挫。今はなかなか本を出版するのが難しいご時世でもあるからね。で、ちょっと危うい時期もあったんだけど、そこで活躍してくれたのが春井星乃さん。
ヌーソロジーの文系的面白みを伝えるための全体の構成案をしっかりと練り直してくれて、こういう感じで行きましょう―と。何せ、「君の名は。」「エヴァンゲリオン」「指輪物語」「マトリックス」「2001年宇宙の旅」という超メジャーな映画作品5本の内容を織り交ぜながらのヌーソロジーガイダンスなので、二重三重に組み立てが難しい。ベースの構成案がよくできていたおかげで、執筆の方は意外にサラっといけた。
焦点が当てられていくのは神話に始まって、カバラ、精神分析、心理学、西洋の歴史、哲学、科学テクノロジーなど、例によって多岐に話が進みながら、ヌーソロジーがどんな思想なのか、その輪郭を徐々にあぶり出していく感じ。もちろん、映画の内容にからませながらね。
今までのヌース本にはないテイストとして、この本を若い人たちにも読んで欲しいというのもあって、現代の若者たちの意識分析を春井さんとまきしむがしてくれているところも面白い。僕のようなオヤジ世代、それも、もはやサブカルチャーを追いかけていない種族としては、時代の変化を痛感させられたね。
あと、装丁もアニメ風になる予定。デザインコンセプトは共著者の春井さん&まきしむ。本全体のテーマがしっかりと集約された、とてもクールな出来になりそう。作画の方はヌーソロジーのビジュアル露出をいつも助けてくれている天海さんと、昔、レクチャーにもよく来てくれていた漫画家のK氏のコンビ。
とにかく今度のヌース本は人文系の人のための入門書という感じだね。ヌーソロジーがどのような問題意識のもとに生まれてきたのかを解説する、ヌーソロジーへのエントランスへのガイド本といった感じだね。でも、内容はかなり深いよ。
それにしても、この本にはヌース用語もOCOTも一切出てこない。内容はメッチャ過激なんだけど、カルチャー本としても読めるんじゃなかろうか。ヌーソロジーも成長したってことだろうね。
ということで、最終調整の作業に戻ります。
2月 25 2019
ヌース映画本、ゲラ校正、とりあえず終了
星乃さんが今度のヌース映画本に対するスタンスを語ってくれている。彼女とまきしむの参加で、今までのヌース本にはないPOPな仕上がりになってる。映画を題材にしたのは正解だったね。サブカルチャーが加味されて、ヌーソロジーの世界ビジョンが色彩豊かにまとめられている感じ。
といって、決して軽い本じゃない。ディープなところはディープに、哲学や神秘主義のエッセンスも適材適所に十分に配置されている。読む人を選ぶ本かもしれないけど、マッチした人にとってはとても楽しめるんじゃなかろうか。
匂いとしては『シリウス革命』からOCOT情報とヌーソロジーの面倒な構造論をすべてカットした感じ。神話や神秘主義と、歴史、精神分析、哲学とが絶妙に絡み合いながら、AI論に至って、ちょっとだけ空間認識と量子力学が顔を覗かせてくる。この間ずっと、グノーシス的思考(カバラ)と精神分析が通奏低音のように鳴り響いてる感じ。
脚注も充実させたから、ヌーソロジー初心者でも読めると思うよ。
加えて、合間合間に入ってくる、インタビュアー・まきしむのボケが最高です^-^。
『君の名は。』に始まり、『エヴァンゲリオン』、そこから『ロードオブザリング』『マトリックス』、最後に『2001年宇宙の旅』と、作品を選定したときは、うまく一冊の本としてまとめられるかどうか全く見えなかったけど、星乃さんの構成力で一つの組曲のような出来になってるね。
また、進展があったら、報告します。
http://hoshinokatachimi.blog.jp/archives/15257800.html
By kohsen • 01_ヌーソロジー, 06_書籍・雑誌 • 0 • Tags: OCOT情報