イデアになるということ

世界には浮き上がるもの(現勢性)と沈み込むもの(潜勢性)がある。
浮き上がるものが物質だとすれば、沈み込むものとは魂のことだ。
物質の浮き上がりは魂の沈み込みによって起こっている。
浮き上がりの世界だけを見ているだけでは、浮き上がりの理由は決して見えない。
同様に、沈み込みの世界を見ているだけでは、沈み込みの理由も決して見えない。
魂は魂という同一性の檻に閉じ込められており。
物質もまた物質という同一性の檻に収監されている。
タイプは全く違えども、ともに囚れの身であることに違いはない。
双方をこの檻から解放するためには差異化のビジョンが必要だ。
ここでいう差異化とは沈み込みが自らを浮き上がらせている運動のことをいう。
僕らは沈み込むものに対してもっと自意識的にならなければならない。
沈み込むことに対して自意識的になれたとき、物質は魂に見えてくる。
イデアになるとは、そういうことだ。