星と太陽の語らい

世界が星に背を向けて太陽に照らされるとき、人はほんとうの自分を忘れている。それは太陽が他者の眼差しから作られているからだ。無数の眼差しが人を直撃すると、人はそこに自我を見い出す。太陽が鏡と呼ばれる所以である。だから自我は昼に住み着いている。

一方、世界が太陽に背を向けて星に照らされるとき、人はほんとうの自分を憶い出す。それは星がわたしの眼差しから作られているからだ。一つの眼差しが人から芽吹くと、人はそこに真我を見出す。そのとき銀河は魂たちの海原となる。夜の深みはこの海原の深さに起因している。

一日はこうして、存在の表面と深層の間を行き来しながら、星と太陽の語らいを作り出しているのだ。そこで響いている声。そこで膨らんでいる夢。そこでぶつかり合う想い。。

いつの日か、星と太陽が互いの秘密を交換し合うときがやってくるだろう。そのとき人は地球が誰であったのかを知る。

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