堕落したエーテル体

精神は物質世界においては「回転」として出現してきます。たとえば、モノの回転、観測者の回転、地球の回転など。これらはいずれも精神の空間的表現で、すべて次元階層が違うものなのですが、僕たちはこれらをモノの回転のイメージで一括りにしています。こうした認識の状態を「次元の中和」と呼びます。

精神が作り出している次元のヒエラルキーが全く見えていないということですね。

次元のヒエラルキーとは哲学の言葉でいえば差異の系列(ドゥルーズ)に当たります。時空という延長的な世界は精神が中和させられた世界のことを意味しており、僕たちの意識に同一化を強制している世界だと言えます。

ヌーソロジーがいう「顕在化」とはこの時空という同一性から抜け出している”差異”を思考によって捉えることをいいます。その具体的所作が「反転」だと考えるといいでしょう。

差異の無限系列が同一性の中で従属させられたものが僕たちが物質と呼んでいるものと考えてみましょう。すると、同一性に従属したこれら物質が示す諸差異の中で最も微小なものは僕らは電荷と呼んでいるものに当たります。同一性の世界と差異の世界は完全な反転関係にありますから、電荷の本性とは実のところ同一性それ自体から抜け出すための最も巨大な差異のことでもあるのです。差異化の世界ではこれが最初の差異になります。

電荷には+と−がありますね。これは差異化が二つの相対する方向に向けられて決行されていることを意味してます。それが自己存在と他者存在の起源だと考えるといいでしょう。シュタイナー的に言えばエーテル化の第一段階です。エーテル化の諸段階はその後、磁荷、光子、uクォーク、dクォーク、陽子、中性子………と続いていきます。ゴールは太陽の核融合です。

シュタイナーが電気や電磁場、放射能のことを堕落したエーテル体と呼ぶのは、本来、差異化の方向性に向かって働いている力が、時空側へと反転させられたものとして力を持っているからなのです。

科学的知性は物質のミクロに分け入ることによって、エーテル体を逆さまに利用する術を獲得したということですね。

エーテル体は生命力の本質です。それを逆さまに利用しているわけですから、科学技術が提供してくる力は逆エーテル体の力と呼んでいいのかもしれません。エーテル体がネゲントロピーの本質を担っているとすれば、逆エーテル体はエントロピーを増大する方向にしか働かないでしょう。

OCOT情報はこうしたエントロピー増大の方向性を「融解」と呼びます。——精神が融けている——という意味です。

facebookimg50