一つの地球から二つの地球へ

奥行きにどれだけ自覚的になれるか―これからの時代はこの「幅から奥行きへ」の反転感覚を養っていくことがすべて、と言っても過言じゃないね。そりゃあ、政治や経済のシステムの反転もいろんなところで謳われるだろうけど、それらをすべて底支えしていくのは個々における奥行きの目覚め、隠されていた虚軸の復活だってこと。
 
奥行きの自覚が生まれてくると、幅の世界の中の自分は「かつての自分」のように感じてくるんだよね。奥行きの自分と幅の世界の中の自分というように、自分の中の双子感覚が生まれてくるわけだ。これが”自覚”の構造と言っていいと思うよ。「自己が自己において自己を見る」ってやつ。それが空間感覚としてはっきり見えてくるってこと。
 
この時点で空間認識は複素化する。つまり、虚軸の自分と実軸の自分を持つってこと。ヌーソロジーが人間の外面と内面と呼んでいる概念がコレ。そして、このように空間認識が複素化した時点で僕らはもう世界を物質的対象としては見なくなる。というのも、物質的対象というのは3次元世界に出現しているものだからね。世界は自分自身として見えてくるんだ。それが素粒子世界への着床の意味だよ。つまり、奥行きが虚軸だと分かった時点で宇宙の実体にダイレクトにランディングするってこと。
 
そして、そこでは、かつて他者だった者も双子になっているだろうから、二組の双子が生きる世界というものに対する視界というのが開いてくる。それが複素2次元空間というやつだね。
 
実体のない円の中で堂々めぐりをしていた意識はようやくそこで存在の中心である球(精神)を見出し、生命の樹の根元に立つことができるようになる。
 
自分の中に見える新しい自分とかつての自分。そして、相手の中に想像できる新しい相手とかつての相手。それら四つのものが見えて、初めて人は他者が何者であるかが分かってくるんだ。そして、そこに本当の”出会い”というものが起こる。
 
この出会いによって今度は僕ら自身のカムナ(定質総体)とアマナ(性質総体)に向けての成長が始まる。もちろん、ともに双子。この成長はカムナが正20面体になり、アマナが正12面体になるところまで続いていく。そして、最後にそれらは合体し、正20-12相貫体と菱形30面体というカタチを作り、一つの殻のようになって、それまで二つあった地球を始まりの一つの地球へと戻す。
 
こういう物語が繰り返されているんだよね。運がいいのか悪いのかよくわからないけど、この物語の終わりが始まりへと向かおうとする時期に僕らは生まれてきたってことなんだろうね。もうすでに奥行きが目覚めてきているから―。
 
途中で思わず、「あのねぇ」と言いそうになったわい(笑)

カムナとアマナ