10月 18 2018
魂の反撃のために―追記2
前回の図についてもう少し説明しておきます。
背面方向が時間tになるのはなぜか―元々意識の位置として、自他の位置は背中合わせでくっついています(無限遠点の+と―)。ですから、自己が自分の前を他者の前と同一視してしまうと、そこに虚軸の重畳が生じ、i × i = -1となって時間tが生じるという仕組みになっています(下図参照)。
物理学者たちは夜空を見上げて「遠くは過去だ」と当たり前のように言います。でも、実はこれは自分の後ろ方向を見て言っていることで、本当の前を見ていないんですよね。それで、あの星は数十億年前に誕生したとか平気で言う。そういう時間に果たしてどの程度の意味があるのか―
この図で示した青い玉が物質粒子に当たります(予想ではuクォーク)。物質粒子が反転した時空だということが簡単に見て取れるのではないかと思います。純粋な奥行き(前)は他者の知覚野から逃れるところでは、プランク宇宙として存在していることが分かるのではないかと思います。
わたしたちの眼の前の空間では、この赤と青の空間が混交しています。その差異を知覚化していくのがヌーソロジーのバイスペイシャル認識です。これはシュタイナーのいう霊視に近いです。シュタイナーは霊が活動する高次宇宙について次のような内容を述べています。
・高次宇宙は、私たちのまわりの時空が裏返った形で存在している。高次宇宙においては形態や色彩などの私たちの時空における諸現象が、反転する形で存在している。
・高次宇宙は、私たちの目の前の微小空間に畳み込まれている。
・高次宇宙では時間が空間化している。
・高次宇宙には、私たちの生命や魂の源となる働きが存在している。
・高次宇宙と物質宇宙は、今現在同時に存在しており、高次宇宙(エーテル界、アストラル界、霊界)の全体が相互浸透しながら、物質界に働きかけている。
(以上、『シュタイナー思想とヌーソロジー』P.509より引用)
これらの内容からも分かるように、ヌーソロジーはシュタイナーの高次宇宙論を現代物理学の知見を通して説明しようとしている部分もあります。
時間や空間は物理構造というよりも、私たち人間の精神構造なのです。
この図をしっかりと頭に入れて、もう一度、下の「観点の球面化」のキットカット動画を確認して下さい。見え方に次の二通りあるのが分かるはずです。
1.自分を中心に空間が回っている。
2.キットカットの缶を中心に空間が回っている。
1が人間の内面知覚=時空。2が人間の外面知覚=物質粒子(uクォーク)です(青い玉)。
ヌーソロジー的には、この青い玉の空間知覚の発現が、高次宇宙への侵入口となります。それこそ、魂の反撃が開始される位置と言っていいでしょう。




10月 19 2018
魂の反撃のために―追記3
さて、時空と持続空間の相互反転関係の図だが、もし、こうした空間認識の反転が自他双方から起こるなら、それは当然、下図のようなフォーメーションを形作ってくることになる。
私たちは、普通、時空上で言葉や眼差しを交わし合っていると思いがちだが、それは単なる物質空間でのイメージに過ぎず、はっきり言えば間違っている。人間が「いる」場所は、そんな場所ではない。
この図が示している「青い玉」の重なりは、自他のほんとうの交通空間が人間の外面の空間同士の中にあるということを示唆している。
この重なりが開いていく交通空間の中に、自他間のほんとうの呼びかけの声と応答の声が響き合っていると考えよう。この場所は「明かしえぬ共同体」(ブランショ)が活動している場所とも言っていい。
明かしえぬ共同体とは、一言で言うなら「共同体を持たない人びとの共同体」のような意味だ。
反転認識による奥行きの空間の開示は、この「明かしえぬ共同体」の場所を今までのどんな思想、哲学よりも、明確に示してくることだろう。―それは時空認識では想像もできなかった絶対的外部にあるコミュニオンの世界でもある。コミュニケーションでもコミュニズムでもない真の精神の交通空間がそこには存在している。
ちなみに、「コミュニオン」とは、キリスト教に言う「聖体拝領」の意味でもある。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0