5月 29 2025
サウロンの指輪
内包空間と外延空間をつなぐ概念形成の作業は、本当は哲学者がやらなくてはいけないことなのだけど、そういう哲学者ってほとんどいない。
結果、物理学の方がどんどん進歩して、量子論と一般相対論の統一という形で、概念なき内と外の統合が果たされつつある。
これは外先手の統合なので、非常に恐ろしいものを生み出してくると思う。
すべては自己存在と他者存在を人間という名で一緒くたにしている思考の在り方が元凶だ。
自己は内包に生きている精神であり、他者は外延に生きている精神だ。
自己が内へと向かい、その内さえをも超えて、外延に生きる他者のもとへと辿り着くこと。
それ以外、世界を安寧に導く方法はない。
5月 30 2025
垂子の顕在化とはどのような意味を持つのか
現在の尺度認識に基づく宇宙から抜け出すためには、認識の位置を無限遠点に置き、空間の見え方を根本から変えないといけない。この変化は、時間を持続として奥行きの中に捉える垂子の顕在化によって起こる。
垂子の顕在化が生じたとき、私たちの空間認識は外延的な物質の広がりから、内包的な持続の場へと移行する。これによって、物理的な空間を単なる外部の広がりとしてではなく、内包的な次元の展開として見る新たな視点を提供してくる。
そして、ここが重要なところだが、垂子の顕在化によって、私たちは初めて物質の外部へと出ることができる。そこに見える物質こそが点球であり、顕在化以前の私たちは、長い間その中に閉じ込められていたということだ。
まさに、尺度だけで空間を見るということは、点球の内部でしか空間を見ていないということであり、まさに、この点球の内部が下次元へと反転した時空——AdS空間に対応しているのだろうと思う。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0