モモとミミ

P1010019 最近、固い話が続いているので、今日はニャンコの話。

うちでは二匹のチンチラを飼っている。名前はモモとミミ。二匹一緒に呼ぶときは、モミモミ。お互い血のつながりは全くないが、とりあえず、モモがお兄さん、ミミが妹ということになっている。ここ一週間というもの、ミミが色気づいてうるさくてしようがない。夜中でもオス猫を求めて、ギャーギャー啼いている。可愛そうだから去勢手術はまだしていないのだ。ミミはたぶん人間だったら、むちゃくちゃ美人である。年の頃なら24〜25歳。小柄だが理知的な顔に気品あるたたずまいをしている。そんな女性がセクシーなポーズをとって、朝から晩まで誘っている。。わしが猫だったら、猪突猛進、八紘一宇の精神でケイブに突入するところだ。

 ところがだ。ところが、うちのモモくん、こんなミミちゃんの挑発ポーズを見ても何も反応しない。可哀想なヤツなのだ。モモくんは、以前にもブログで紹介したかもしれないが、なんと両性具有ニャンコなのである。両性具有で両刀使いならば愉しい愉しい猫ライフを送れるのだろうが、運が悪いことにヤツは両刀不能なのだ。確かに、おまたを広げさせて白いふさふさの産毛の中を見ると、もうこれ以上ないくらい申し訳なさそうに男子の一物が付着している。で、そのすぐ下にこれもまた申し訳ないくらい小さな襞が二枚。このバイのモモくん、がたいも大きく、性格もすこぶる明るく、いつも元気一杯、我が家の中を所狭しと駆け回っているのだが、ミミちゃんがいつもと様子が違うことには気づいている。

 モモくんはミミちゃんのことが好きなのだが、ミミちゃんは普段、モモくんのことなど眼中にない。モモくんが「遊ぼ!」とすり寄っていっても、ミミちゃんは、プイと横を向いて、無視している。モモくんは、その度に傷ついた顔をして、わぁ〜、と二階に駆け上がっていく。気の毒なやつなのだ。だから、モモくんにとって、この一週間のミミちゃんの激変ぶりは何とも解せないのだ。ミミちゃんが床の上で悩ましく体をくねらせながら、ニャーニャー甘えた声を出している。さしずめ人間ならば、「ねぇ〜、もっもくぅ〜ん、こっちに来てぇぇ〜。いいことしシヨウょぉ〜。」という感じだろう。モモくんそんなミミちゃんの悩ましい姿を見て、1メートル横でギクシャクして固まってしまっている。どうしていいのか分からないのだ。憧れのミミちゃんが変だ。なんだこのクニャクニャは?でも、モモの股間は極小と言えども確かに何かに反応してるようではある。中途半端な、あまりに中途半端な。。。

 一昨日、いけないものを見てしまった。ミミちゃんが相変わらずクネクネして悶絶しているときに、初心者にはよくありがちな、あの野となれ山となれぇ〜という勢いを持って、いきなりモモくん、ミミちゃんに襲いかかっていったのだ。そうだ、モモ行け!!男になれ!!やるっきゃねーぞ!!わたしも、このときばかりは、小林一茶の心境で、モモの元服成就に激を飛ばしたのだが、どうも、モモくん、後ろからミミちゃんの腰を押さえるところまではいくのだが、そこからの様子がどうもおかしい。あれっ?あれっ?あれっ?タラ〜。と何度やっても空振りなのである。。当たり前だ。モモくんのじゃはなから無理なのだ。。3〜4回その空虚な身振りを繰り返したあと、モモくんは、パッチリした目を悲しそうに閉ざして、ミミちゃんからとぼとぼと離れた。おそらくモモくんには何が起こっているのか分からないのだろう。尻尾を下げてベランダの方に歩いていった。う〜ん、悲しかった。実に悲しかった。こんないいやつなのに何でこんな目に合わなくちゃいけないのだろう。。モモくん。。

 たかがセックス、されどセックス。万物が、日夜、セックスを営んでいる。空も、大地も、海も、山も、草木も、虫も。。そして、ニャンコも。。

 モモくん、ミミちゃんと結ばれなくて本当に残念だったね。ミミちゃんも、モモくんに抱いてもらえなくてほんとうに残念だったね。でも、体のセックスだけがセックスじゃないんだよ。もうじき、セックスの神様がやってきて君たち二人を猫族の精霊たちのもとに連れて行ってくれるからね。猫生つらいときもあるだろうけど、くじけちゃいかんよ。わしも頑張るからね。(上写真はモモ。)