「ヌーソロジーの空間認識論はどのように物理学と関係し得るか 4」研究動画シリーズ#24(船木)

船木研究員による研究動画です。今回の船木研究員の動画はヌーソロジーと量子力学の対応の準備について、俯瞰的に概括する内容になっています。様々な数式が登場してきますが、これらの具体的な解説は各論に入ったときにまた出てくることでしょう。量子力学に関する大事なポイントがまとめて語られていますので、是非、ご覧になられてみてください。

船木氏も今回の動画で触れられていますが、量子物理と古典物理との一つの大きな違いは、運動量やエネルギーといった物理量が演算子で表現されるところにあります。ヌーソロジーでは、演算子は持続世界の力を延長世界の力のあり方の表現へと翻訳するための媒介役のようなものと考えます。
円(複素数)の中で活動している持続の力を、直線(実数)を指標とする物理的な力の量へと翻訳しているということです。大雑把に言えば、巻尺のように円から直線を引っ張り出している、そんなイメージですね。空間の巻尺なら運動量。時間の巻尺ならエネルギー。どちらも、持続の延長的展開です。

でも、今の物理学のように直線世界に展開された力ばかりを見ているだけでは、本質である円的世界に入っていくことはできません。円的世界の方を持続に止まって(永遠の相のもとに)直接覗けるような認識を作って行こうじゃないか、と呼びかけているのがヌーソロジーだと思ってください。

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船木氏の研究動画ではヌーソロジーの空間認識の概要の説明から入る。

この説明は「現在、人間は物の内部にいる」——という言い内容で始まるんだが、こののっけの部分で、「What?」となる人がほとんどかもしれない。「馬鹿言うな、オレはちゃんと物の外部にいるじゃないか」って。

でもそれって、ホントかね?  
世界があるということと、自分がいるということが、もし君の中でゴッチャになっているとしたら、君はまだ物の中に閉じ込められている——そう思わないといけない。物の中に閉じ込められているわけだから、ちゃんと物が見えていないってことだよ・・・。

ヌーソロジーではそういう世界のことを「潜在化の次元」って呼んでる。潜在化とはまだ世界が眠ってることを意味してる。「いやいや、世界って目の前にあるっしょ。眠ってなんかいないっスヨ」と言いたくなる気持ちも分かるけど、君自身が世界となった世界はまだ現れていない。そういうことを言ってる。

ここで言ってる「物」の外部とは、単に空間的な位置のイメージで言ってるわけじゃない。見えている物と物を見ている君自身との次元の違いのことを言っている。この次元の違いが分からなきゃ、君はまだ物の外部には出れてないってことだよ。この次元の違いが哲学でいう存在論的差異ってヤツに当たる。

本当の外部とは「いる」が「ある」に結びついている世界のこと。今のように「ある」と「いる」の違いがよく分からなくなっているような世界は、「ある」から出れていないんだよ。ほとんどの人の人生が苦しみに満ちたものになってしまうのも、この「ある」に皆んなが縛り付けられているからだと思うよ。