空間を自己と他者の精神が充満する場に!

ヌーソロジーでいう「垂質の反映」側に複素ヒルベルト空間を配置してみた。反転していない側なので、こちらの方がヌースの量子解釈が分かりやすいかも。観測者の観測の指向性がそのまま固有ベクトルとなって固有状態を生み出す。固有状態は垂子に対応し、そこに時間発展|Φ(t)>が作用し、固有関数Φ2(x,t)として記述される(下図参照)

持続空間という概念を持ち込まないと、複素数で示される量子構造の本質は分からないということがこの図からも推察される。量子は小さいものではなく、主観空間から見れば自分を取り巻くマクロ的空間そのものだということ。ただし、主観空間は射影空間になっており、客観時空ではミクロに縮んでいる。

「私たちが見ている世界は量子の内部だ」というヌーソロジーの主張が、これで少しは分かってもらえるのではないか。この方向に私たちの空間認識はシフトしていくことが望ましい。それによって、主客一致の宇宙観の足場を作ることができる。

ラカンの精神分析が云うように、今の私たちは大文字の他者の視線による支配のなかで空間を構成し、自分の拠点を時空に置いてしまっている。主体の空間を取り戻し、そこから再度、空間を持続空間として構成し、自他の精神が充満する場として空間を再構成しないといけない。物質はそこから始まっている。

根気のいる作業になるのは必至だが、人間型ゲシュタルトを解体していこう。今の意識の方向性では精神的存在としての人間は壊滅していく一方だ。人間を存在そのものへと変形(トランスフォーム)させていく方法はこうした空間認識の変容にしかないように思っている。
内なる光の声に耳を傾け、 自己の本性を取り戻すために………。

垂子と固有状態の関係