7月 16 2024
トンデモと言われることを承知の上で
ヌーソロジーにおける主観空間の概念は、明らかに物理学とは異なる視点を提供しています。通常の物理学では、観測者は物体と同一視され、宇宙の任意の点に位置するとされ、3次元空間と時間の中に存在することを前提にしています。
しかし、ヌーソロジーはこうした前提とは全く異なり、主観的な経験としての人間のあり方の位置を前提とします。
一度、主観から空間に触れると、空間は物理的な空間とは異なる性質を帯びていることが誰にでも直観されてきます。記憶はどこにありますか?思考はどこに見えますか?想像力はどこで渦巻いていますか? 主観の中には脳などといったものは存在していません。そのような対象的な場所設定よりも、ただ空間の中といった方がリアルではないですか?
こうしたつかみどころのない場所を客観的時空に対する垂直的な”深み”として想定することは決して無意味なことではないように思えます。物理学はすでに時空より高次の空間によってこの世界が生み出されていることを理論的に解き明かしています。そこに登場してくるのが虚空間を含みもった複素空間と呼ばれている世界です。
虚数は実際の物理的実体を持ちませんが、物理法則には絶対不可欠な数概念です。ヌーソロジーは、この虚数を”奥行き”の表現と考え、そこに経験的な主観の場を重ね合わせ、精神としての持続、すなわち「意識に直接与えられたもの」と物理的実体とのつながりの可能性を量子力学の数理構造を通して探っているのです。
このような観点が現代の物理学における主流の理論とは大きく異なっているのは百も承知しています。現行の物理学の主流の枠組みの中でこのような考え方を受け入れるには、実験や観測による検証可能な予測が絶対に必要になるでしょう。それがない限り、ヌーソロジーがこれから行っていく全ての提案は哲学的な仮説や思考実験の領域にとどまる可能性が高いと思います。いや、哲学者でさえ認めるのを躊躇するでしょう。
ヌーソロジーが提示するのは、物質と精神、主観的現実の空間と抽象的な数学のモデルがどのように関連するかについてのまったく新しい考え方です。主観空間がダイレクトに量子空間と結びついている——未だにこのような考え方は科学の中にはありませんし、哲学でもドゥルーズがわずかに直観していた程度です。
しかし、たとえSF的にでもいいので、一度、そういう仮定で空間について考えてみてほしいのです。この考え方は、現在、混迷を極めている現代物理学の世界観を豊かにする可能性を含んでいるかもしれませんし、今のAI中心の科学の方向性を全く違った方向へと向ける契機となって、真の心の豊かさというものを私たちに提供してくる可能性もあります。
まだまだ雑な論立てしかできていないヌーソロジーですが、わずかな数の人たちでもいいので、主観空間と量子空間の類似性について思考する人たちの登場を願っています。
8月 28 2024
外なるマカバと内なるマカバ
核質の力から逃れるためには。核質が生み出されている原因を辿らないといけない。ヌーソロジーの文脈では、その手始めが「無限遠点の発見」ということになる。
さっきの図では、無限遠点はマカバにおける八つの頂点として表現されている。つまり、まずは、この止核作用としての正8面体に外接する二つの正四面体の認識が生みださなくてはいけないわけだ。
正四面体の認識の出現のことをOCOT情報は「力の対化」と呼ぶ。だから、ここでは「力の対化」が二つ生まれるわけだ。
この二つの正四面体は、人間の意識に4次元認識が生まれ、角質として働いていた3次元を、自己と他者固有のSU(2)(3次元球面)に分割することを意味している。僕が常々「宇宙卵の卵割」と呼んでいた出来事だ。これは、自己と他者が、それぞれ固有の主観空間の存在に気づくことをいう。ヌルポッドへの乗船だ。
そして、正八面体からマカバ(二つの正四面体)への発芽のことをOCOT情報は「核散」と呼んでいる。これは、人間の意識が新たな次元生成の方向へと入ることを意味している。
ドゥルーズなんかが闘っていたのも、この核質が作る頑なな3次元認識だったと言い換えても構わないように思う。これは分かりやすく言うなら、世界を存在者(対象)だけで考えようとする思考や感覚のことだ。ドゥルーズは、表象=再現前化のシステムという。常に、同じものを反復する意識の回転運動。3次元認識の背後には、そのような高次の無意識のシステムが暗躍している。
⚫止核精神(光)としての外なるマカバ
止核を形成した無意識構造のもとで、精神は4次元空間(内在=内なるマカバ)と4次元時空(外在=外なるマカバ)の間を反復し続ける。この反復は持続と瞬間性の間の反復を意味しており、この反復によって生み出されるのが時間意識としての「流れる時間」の本性になっている。
私たちはまだ4次元空間(マカバが作る内包空間=持続)の方を認識できていないので、そちらに拠点に置くことができず、この反復を、漠然とした時間の流れのようにして感じ取っている。
先ほど言った表象化の働きも、この反復が生み出している。そして、この表象化の働きを作っている原因は、4次元と3次元の同一化——観測者が3次元に投げ込まれていること——にある。
こうした、4次元が見えていない精神の状態をOCOT情報は「止核精神」と呼んでいる。そのカタチが外なるマカバ(ケプラーの星型八面体)のことなのである。ヌーソロジーのいう調整質(思形と感性)を稼働させているものだ。
人間は外なるマカバの残響であり、まだ内なるマカバ(4次元空間が作るマカバ)の方が見えていない。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: OCOT情報, SU(2), ドゥルーズ, マカバ