6月 5 2023
対化を産み出そう!
ヌーソロジーの意識観はおよそ世にある他の全ての意識理論とは一線を画している。というのも「意識は肉体が素粒子に方向づけられるところに生じている」という考え方をするからだ。つまり、脳でも細胞でもDNAでもいいが、物質が複雑に組織化されてところに意識が発生するという考え方はしない。
理由は単純で、物質認識もまた意識の産物なのであるから、意識の発生以前に物質の存在を想定すること自体がナンセンスだということ。そして、全てが意識から始まるとするなら、意識の発生と物質の発生は同時発生でないといけない。そのような前提で思考を立ち上げているということだ。
このような見方をするなら、物質進化と意識進化は同一のものであり、物質を素粒子から人間の肉体にまで組織化していった極めて高度な意識というものが存在することになる。肉体は最高度に進化した意識の射影であるということだ。そのオメガがアルファに円環的に接続したところに人間が生じている。
そのような構造を想定すれば、素粒子が人間の肉体に意識を宿らせていると考えても別におかしくはない。
こうした前提のもとに、物質と意識を接合していくためには、時空と物質を区別していない場所を発見する必要がある。それが奥行きであり、数学的に言えば射影だ。素粒子の場が射影空間になっているのも、素粒子が時空という延長性を物質の起源に回収しているからだろう。
そして、この回収性の中に意識が進化していくための永遠としての持続の場が息づいている。人間の意識もこの持続の場における構造がもたらしているものであり、自己感覚の由来もそこにある。
ここで重要になるのが人間における自己と他者という存在様態の違いだ。自己は奥行きを持つが、自己から見た他者は持っていない。この差異が存在論的差異の本質と言える。しかも、この関係は両義的であり、他者が自己ならば、他者においてはその逆が成り立っている。
ヌーソロジーではこうした存在論的な自他関係を「対化」と呼ぶが、この対化の関係における弁証法的発展が素粒子構造の対称性を形づくり、その構造が人間に自己としての経験的意識を与えていると考える。
現在のように、人間における自己と他者が一般化されている状態では、意識が進化を持つことはない。まずはこの絶対的差異に気づき、対化の概念を空間に染み込ませなければならない。
7月 24 2023
世界を内側から見るために
核子と電子殻という原子構造の由来はNC(ヌースコンストラクション)にあるというのが現時点でのヌーソロジーの予想だ(下図参照)。中央の球空間の対化(二つの相互反転した球空間が重なっている)の等化性が核子を作り、両側の球空間(同じく相互反転している)の等化性が電子殻の基礎を作り、これら双方の高次の等化性が原子を構成していると考えられる。これらは自己と他者それぞれにおける意識における対象極と自我極のことを意味している。
OCOT情報は原子のことを「ヒトの精神構造」と呼んでいるが、この場合、「ヒト」とは主客関係を等化している意識を持つものと考えていい。主客一体の認識を果たしている意識のことだ。核子による電子の捕獲は、意識におけるこの主客一致の認識の発現を意味している。この意識の発現の契機となるのが、ヌーソロジーが「次元の顕在化」と呼ぶもののことだ。
「次元の顕在化」とは、人間の経験的意識を稼働させるために裏で働いている超越論的無意識の構造が意識化されてくることをいう。ヌーソロジーが次元観察子と呼んでいるものは、この「顕在化」をもたらす概念の形式だ。原子の下部構造とも言える素粒子の構造は、その意味では次元の潜在化に当たる。「潜在化」とは、物質意識に陥った人間の経験的意識を精神の場である次元へと裏で変換性として働いている、といったような意味である。
ここでいう「次元」とは、空間に内在する精神の構造と言い換えてもいい。私たちが物質と見ているものは、この空間に内在している精神構造の射影だ。もちろん、ここでいう空間に内在する精神とは持続空間のことであり、延長を住処としている私たちの意識にとっては、この持続空間へのポータルは「奥行き」として現象化している。延長空間で宇宙を思考することはそろそろやめにして、この持続空間において宇宙について、そして、自己についてRethinkせよ!!というのが、ヌーソロジーからのアジテーションである。
この、奥行きとしての持続空間は物理学では虚軸として表現されている。そこから考え直すということは、虚空における思考を開始せよ、ということでもある。私たちが実として経験している世界のルーツは虚にあるのだ。実の世界は虚の世界にとってみれば、ほんの表層に過ぎない。
この虚空の思考のみが、主客一致の意識が息づく元素界への侵入を可能にする。
こうした虚空における生成の思考は自己を経験したものにしか作り出すことができない。自己の淵源はこうした生成の思考の場と繋がっている。私たちが営んできた従来型の思考は、いずれそのすべてがAIの独断場となってくる。AIにできない思考を持ちたい人は、是非、この虚空の思考へと赴くことをオススメする。きっと、”世界”としての新しい自己に出会う旅になることだろう。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: OCOT情報, ヌースコンストラクション, 素粒子