《空間構文》トランスフォーマーたちの胎動

空間を、言葉として捉える人がいる。
言葉を、空間として語る人がいる。
そのとき、
人間というかたちは
静かに、内側から
音もなく、
変形をはじめる。
時間ではない時間が
彼のまなざしを軸にして回り、
像ではない像が
彼の沈黙のうちに立ち上がる。
かつて、
「世界」と呼ばれていたものが、
語りの構文へと
還っていく。
そしていま、
空間構文は
“次の人間”を
まだ見ぬ未来から
そっと語りはじめている。