【重要!!】「円心」という概念について―伝説のキットカット実験

持続空間と量子の関係を思考していく上で、最も重要なのはやっぱり円心という概念だね。ヌーソロジーに関心がある人は、是非、この円心という概念をマスターしてほしい。持続空間の感覚的強度を上げるための、ホント強力な概念だ。とりあえず、円心関係を対象と観察者の関係に当てはめ、図にしてみた(下図参照)
  
こうして外から見たイメージで、図示するのは全く不正確なんだけれど、う~ん、致し方ない。くれぐれも、君自身が図の観察者の位置に身を投げ入れた感覚で、この図を見て欲しい。頼んまっせ。
 
円Aの中心点は、普通に、自己中心化した主体の位置と考えていい。
 
問題は円Bの方。
 
この円Bは、決して自分の目の前の対象を取り巻いている円を意味しない。
 
「円心」の定義は、円の中心と円周が相互に反転したもの―のことを言うのだから、円Bは観測者の位置が反転したものだ。
 
とても大事なところだから、何度も紹介するけど、この円Bは例のO氏夫妻によるキットカット実験(なんかフィラデルフィア実験みたいでカッコいい:笑)の映像が作り出している空間のことだね(下動画)。
 
で、ヌーソロジーは、奥行きを持続空間と仮定しているわけだから、目の前には、常にこの円Bの空間が存在しているわけ。
 
でも、君はそれが当たり前すぎて分からなくなってる。普段、空気の存在を忘れているのと同じ。つまり、持続空間なんだから、その空間は君の記憶の容器として働いているってこと。
  
ベルクソンは記憶の場所を抽象的な円錐モデルで表現したんだけど、それだと単にモデルにすぎず、イデアには結びつけられない。単なる抽象で終わっちゃう。だから、円錐モデルには発展性がなかった。事実、円錐モデルを紹介した『物質と記憶』の後、いきなり生命論の『創造的進化』へとワープしちゃう。
 
ヌーソロジーの場合は、この記憶の容器となった円Bの方をダイレクトに素粒子と接続させちゃう。それによって、ここから始まる持続空間の構造を素粒子の構造と対比させて、より具体的に持続空間の風景を探っていこうとしているわけだね。ここでは、すでに物質と精神が一致した思考になってることが分かる。こういうのを哲学では「即自」っていう。イデアの思考は即自であることが条件なんだ。
 
ちなみに、ヌース用語では円Aの空間認識のことを「位置の中和」、円Bのそれを「位置の等化」と呼ぶ。
 
位置の等化とは、主体と客体の位置が等化されているという意味。位置の中和とは、位置の等化を見えなくさせるという意味。もちろん、今の僕らは後者が先手を取り、前者は無意識に沈んでる。
  
円Aと円Bの円心関係、少しはイメージできてきただろうか。。
  
こうして、無意識の主体(持続)は、自分自身を鏡に映すようにして肉体へと反映させているわけだ。そして、そのとき鏡の役割を果たすのが「他者存在」というストーリーになってる。他者とは、僕らに「位置の中和」を与えているものなんだ。 
  
とにかく、ゆっくり考えてみてね。まったく別の世界が徐々に見えてくるようになるから。