人間の「元止揚」についての補足

ヌーソロジーが語る総体の外面と内面という概念を表現している神秘主義的象徴は少ないが、それがもっとも直感的に捉えられているのは、空海の胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅ではないかと感じている。
 
胎蔵界における中台八葉院が総体の外面側へと人間の元止揚として入り込んできている総体の内面。その周囲に描かれている11院が、総体の内面方向に新たに向かうために人間の元止揚が生み出している力となる(すなわち、この領域が人間の意識活動の場)。金剛界は総体の内面の覚醒領域を現しているものと思われる。
 
いずれにせよ、高次の精神構造が物質世界に投影を行い、そこから、再度、高次の精神構造に向けて人間の意識が衆生所遊楽として活動する様子を表している。プラトン風に言うなら、胎蔵界とは文字どおり存在の子宮としてのコーラである。
 
ちなみに、「コーラ」に関しては、下のcave syndromeの記事を参考にするといいと思います。飲むコーラのことではないので、そこんとこよろしく。
 
宇宙的性愛について」http://www.noos.ne.jp/cavesyndrome/?p=5482
 
モナドとコーラ」http://www.noos.ne.jp/cavesyndrome/?p=5584