12月 4 2025
尺度で空間を観るのをやめよう
――ヌーソロジー的・空間構文からの4次元認識
私たちは、空間を「長さ」や「大きさ」といった尺度で捉えることに、あまりに慣れすぎている。しかし、ヌーソロジーの視点から空間を眺めるとき、この尺度的な視線は根本的に問い直されることになる。そこに立ち現れるのは、空間そのものが「見ている位置=観察位置」を内包しているという、新たな空間構文の姿だ。
◉ 空間に「見る位置」が含まれるとき、次元が変わる
たとえば、通常の三次元空間 R^3 に「観察者の視点」、つまり無限遠点を加えると、空間は球面 S^3に閉じられ、コンパクトな構造として立ち現れてくる。このとき出現する“外から空間を見ているもう一つの次元”こそが、ヌーソロジーでいう「第四の方向=4次元」だ。それは時空的な拡張ではなく、空間を空間として見ている場所――すなわち、見るという行為の構文そのものに関わる軸になっている。
◉ 無限遠点が生む、スケールを超えた対称性
この空間のコンパクト化は、単に技術的な変換にとどまらない。無限遠点を導入することで、空間はスケール(距離や大きさ)による意味づけを失い、角度や構造を保存する共形対称性が支配する空間へと変貌する。こうして生まれるのが、距離の絶対性を脱構築する共形場理論(CFT)の世界である。そこでは、「どのくらい離れているか」ではなく、「どのように関係しているか」が問題となる。言い換えれば、スケールは捨てられ、”構文”が立ち上がるのだ。
◉ 空間を構成するのは、「位置関係」そのもの
ヌーソロジーでは、この構文的な空間の中心に「観察位置」を据える。4次元とは、単に物理的な軸ではなく、内と外を繋ぐ視線の射影軸であり、そこから空間そのものが構成されているのだ。尺度とは無関係に、どこから見るか、どの角度で見るかが空間の構文を決定する。ここでは、視点そのものが空間の論理を生み出してくる。
◉ 思考と空間に共通するスケールの無意味化
言語や概念が「大きさ」や「長さ」に依存せずに意味を形成するように、空間の意味生成もまた、尺度によってではなく、捩れや関係性のトポロジーによって行われている。ここにおいて、空間はもはや幾何的対象ではなく、視点によって構文化される思考、それ自体の空間へと変わる。
だから、繰り返すと、私たちは、そろそろ「尺度で空間を観るのをやめる」べきだ。それをメインにするな、という意味でね。
そうすれば、今度は意識が見えてくる。ほんとに。




12月 5 2025
スピノザとヌーソロジー
スピノザの言う”三種の認識”をヌーソロジーのψ空間の顕在化構造に対応させ、従来の認識とヌーソロジーの認識の違いをジピに簡単にまとめさせてみました。ヌーソロジーは別に難しいものではないのですが、多くの人が難解に感じるのも、この段差のためだと思われます。参考にしてください。
⚫︎第一、第二野認識
僕らが日常で使っている認識のスタイルは、スピノザで言えば第一種と第二種の認識にあたる。
第一種認識(想像)
→ 感覚や経験による思い込み。「自分の目に映る世界がすべて」と信じる。
第二種認識(理性)
→ 科学や論理による客観的理解。「世界は法則でできている」と考える。
このスタイルでは、世界は「自分の外にある現実」として存在していて、僕らはそれを観察し、理解する者(=観測者)として振る舞う。つまり、人間型ゲシュタルトのことだね。
⚫︎第三の認識
一方で、ヌーソロジーが目指しているのは、スピノザでいう”第三種認識(直観知)”の世界に当たる。
この認識のスタイルにおいて、世界は「外にあるもの」ではなく、「自分という存在そのものの“内的な構文”として現れている」と見なされる。
わかりやすく言うなら、ヌーソロジーでは、「世界とは、自分の認識構造が投影されている場所にすぎない」と考えるということだ。
これは、従来の「世界 → 自分」という因果の向きを、「自分 → 世界」という反転の構図に変えることであり、認識スタイルの根底的なパラダイム転換を意味している。これが、トランスフォーマー型ゲシュタルトのことだね。
⚫︎なぜ自己視点を取り戻すことが重要なのか
ヌーソロジーは難解、といつも言われるのだが、なぜヌーソロジーが“難しく”感じられるのか?というと、それは、ヌーソロジーが「難しい理論」なのではなく、僕らの思考そのものに対して「お前はどこから世界を見ているのか」を問い直すからだ。
僕らはふだん、「目に見える世界をどう理解するか」に意識を向けているが、ヌーソロジーはその手前で、「そもそも“見る”という行為が、どのような空間構造を前提にしているのか?」を問う。
この“問いの向きの違い”こそが、ヌーソロジーの最大の特徴でり、”自己視点! 自己視点! “といつも叫んでいるのも、問いの向きの方向性を変えさせたいがためだ。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: スピノザ, 人間型ゲシュタルト