空間構文についてまたまた説明

空間構文とは、私たちが「見る」その行為を裏で支えている自己言語である。それは言葉ではないが、言語のように構造を持ち、意味を生成し、関係性を織りなす幾何学的な文法である。

物理学が数式で世界を記述するなら、ヌーソロジーは空間構文で思考と空間の同時発生を記述する。
この構文は、もはや主体の中だけにあるものではない。それは現実のなかで、自己と他者の関係性として顕現する空間そのものであり、存在を差異として記述しなおす、新しい世界記述のための幾何学である。

見えの反転こそ、世界の始まり

なぜこの構文が必要なのか?
それは、私たちがあまりにも「見え」を外に投影してしまっているからだ。見ているのは「私」であるはずなのに、その視線をいつしか他者からの視線にすり替えて、「私が見ている世界」を「誰もが見ている外の世界」だと信じてしまう。
ここに、近代以降の人間の「自己喪失」がある。私たちは、自分の“見る”という原点を失った。そして、自らが作り出した空間を、自分とは無関係なものとして、「ただそこにあるもの」として客体化してしまったのだ。

しかし、気づいてほしい。「見え」は常に“私の中”からしか始まらない。この逆転に気づくとき、私たちは初めて空間とともに自己を再発見することになる。