シリウスファイル解説

シリウスファイルの紹介が思いのほか好評だったようなので、若干のイメージが作れるように少しだけ解説しておきます。

コ : 水素原子とは定質のことですか。

オ : はい、そうです。内面性における付帯質の覚醒を生み出したときに存在するものです。

【解説】

僕の質問にある「定質」とは「人間の定質」のことで、この言葉には文字通り「人間という存在を定める力」という意味があります。人間の個体意識を生み出すために働いている無意識のシステムの全体性の力のことを指していると思って下さい。一方、個体意識として生み出されている方の力はOCOT情報では「性質」と呼ばれており、「人間とは性質が生まれている状態」として定義されています。定質=人間の無意識側で働く主体、性質=人間の意識側で働く自我、ととりあえず覚えておくのがいいでしょう。

ここでいう「内面性」とは意識が能動的に働いていく世界、つまり創造空間のことと思って下さい。付帯質とは人間が時間と空間と呼んでいるもののことでもあり、さきほどの〈性質〉とほぼ同じ意味です。「付帯質の覚醒」とは人間の自我意識が時間と空間という形式を離脱して、ダイレクトに創造空間の中に侵入していくことを意味しています。OCOT情報は人間が時間と空間と呼んでいるものは人間の自我とほとんど同じものと見なしているようです。無意識構造は空間の多重構造の中で組織化されているのですが、その全体性は奥行きを通して〈収縮〉しており、時空上では僕らが水素原子と呼んでいるものに見えているということです。

コ : ということは、水素分子とは定質の対化のことですか。

オ : 力の交差の方向性。中和の交差が起こったときに定質の対化となります。つまり、次元の対化です。力の交差が反対側を向いているということ。

「力の交差の方向性」とは自己と他者、互いの無意識構造が表裏を捻り合って交わっているということを意味しています。自己と他者の無意識構造が表裏一体でメビウスの帯のようかたちで繋がり合っているということ。ここには、自己側の無意識が他者側の意識を活動させ、他者側の無意識が自己側の意識を活動させる、といったような捻れの関係が潜んでいます。魂の世界では自己と他者が互いの無意識を支え合っているということです。

「力の交差が反対側を向いている」とは、人間が受け取っている物質の表象(ものの見え姿)と表象を送り出している力の関係性のことを言っています。水素分子とは、その意味で言えば、自己と他者に表象を送り出しているもの同士が一つになっている場所のことです。水素分子にはオルト水素とパラ水素という二つの種類がありますが、捻れが見えているものがオルト水素で、見えていないものがパラ水素として現れています。

コ : ヘリウム原子とは性質のことですか。

オ : はい、性質と反性質が性質の対化の意味を持ちます。

コ : 水素原子に中性子がないのはなぜですか。

オ : それは対化の交差が内面を持てないという意味です。中性子は力の交差を持つための次元ですから、それがないということは上次元に関与する力がないということです。

【解説】
ヘリウム原子は基本的には陽子が2個、中性子が2個、電子が2個で成り立っていますが、これは水素分子が付帯質の力を付随させているものという解釈ができます。単に無意識側の力だけではなく、人間の自我意識側をも含んでいるということです。原子の世界では精神側(無意識側)の力が陽子、付帯質側(無意識が相殺されたもの)の力が中性子として投影されています。ですから、水素分子が定質の対化ならば、必然的にヘリウム原子は「性質の対化」という言い方がなされるわけです。

「対化の交差」とは精神と付帯質の交差を意味しています。精神の付帯質への交差が人間の意識に外在認識を作り、付帯質の精神への交差が内在認識を作っています。単純に物質世界とこころの関係と言っていいでしょう。中性子がないということはダイレクトにいえば自分を顧みる力がないということです。その意味で言えば、中性子とは人間の心に対応すると考えられていいと思います。「上次元に関与する力がない」というのは創造空間を構成する実体側に方向を持つことができていない、といったような意味です。心が人間の意識をほんとうの宇宙に方向付けているということ。

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