10月 23 2024
時間に依存するシュレディンガー方程式が意味するもの
ヌーソロジーでは、波動関数ψ(r,t)は、観測者の対象への志向性によって形成される持続の場として解釈します。つまり、持続において、観測者による対象の位置認識を具体化するプロセスが数学的に表現されたものだと考えるということです。
再度、図を上げておきます(上図参照のこと)。
U(1)円上の状態ベクトルが観測者の志向性に対応し、そこで志向された位置は物理的な測定を行う前の系の全可能性を含む量子状態の位相を定めます。
観測が行われた瞬間、状態ベクトルは特定のエネルギー固有状態Enに関連するU(1)円上の位置の認識へと「崩壊」し、これが物理的な現象としての粒子の位置やエネルギーの観測値として現れることになります。
この解釈は、波動関数の収束や量子の重ね合わせ状態を、主観空間上の観測者の意識の動きと同一のものと見なすことによってごく自然に生まれてきます。
このような解釈によって、波動関数は単に確率を表すものではなく、「私たち人間の意識の持続的な作用が時空概念を通して表現されたもの」という理解が可能になってきます。
⚫︎シュレディンガー方程式の一般解の直観的イメージ
要は、観測者の志向性が状態ベクトルとして表され、レーダーのように無数の系上の点に対して時間発展として働き、それが同時に中心方向を反転させ、多様な e^i(kx−Et)を形成しているということです。
このイメージは、時間に依存するシュレディンガー方程式の一般解の直観的イメージになっていると考えています。
ヌーソロジーでいうなら、垂質の反映上に見える垂子の働きの全体性、ということになります(下図参照のこと)。
このような構造は、奥行き方向にあるので、時空上ではすべてミクロに射影されて見えてしまうということです。
※真の空間を見つめる者へ
空間は人間にとって外的で疎遠な対象物としてあるのではない。それは己自身の生に死として深く組み込まれ、分かちがたく統一された状態となっている。人間と存在の同化とは、自己が空間に受肉することであり、自己と空間との統一的な融合を意味している。内在性とはそのような場所のことである。
1月 14 2025
固有関数と垂子
波動関数が表現している場は、皆さんの周りに広がっている持続の場です。今はわからないかもしれませんが、物理的空間と精神的空間は重なり合って現象化しています。その二重化によって「自己」が作られています。
例えば、何か身近にあるものを見てください。物理空間ではそれはお馴染みの対象として把握されます。しかし、そこには同時に精神空間が重なり合っています。
精神空間は、対象の認識を仕上げるために、意識に持続を持たせています。次に、その対象を全ての角度から想像的に観察しています。それが馴染みのものであれば、記憶を総合して、その像を再構成しています。
一つの対象を人間の意識に「感覚化サセテイルモノ」とは、こうした空間のことを言い、これをヌーソロジーでは「垂子(スイシ)」と呼びます。
この場合、対象は「点」でも構いません。空間に点認識を与えているものが、この物理的空間に折り重なって存在しているのです。
量子力学では、この垂子次元を固有関数を作る次元として記述しています。固有関数ψ(r)というのは、この持続空間における複素距離を通じて、観測者の認識における対象の位置とその持続状態が数学的に表現されたものなのです。
固有関数ψ(r)は、シュレディンガー方程式の解として得られる関数であり、特定のエネルギー状態に対応します。つまり、ある特定の位置なり対象を認識サセテイル精神空間の状態だということです。時間に依存しないシュレディンガー方程式では、この固有関数は次のように表されます。
Hψ(r)=Eψ(r)
ここで、ψ(r)はハミルトニアン H の固有関数であり、E は対応する固有値(エネルギー)です。
By kohsen • 01_ヌーソロジー • 0 • Tags: シュレディンガー方程式, 波動関数