永遠性が一瞬に影を落とす出来事

私たちは空間形態を内的に経験しているのであって、感覚的体験の必然的帰結として外的に体験しているのではありません。(ジョージ・アダムス『エーテル空間』P.9)

空間を内的なものへと変えていきましょう。それが自己本来の空間であり、そこでは見るものと見られるものは一つになっているのです。
このような考え方をすると、量子力学の観測問題の謎も簡単に解決することが分かります。

量子とは、他者視点に依存した外的空間の中で、自己視点で見ている持続空間があたかもミクロの対象のように投影された姿だということです。
持続空間を外的な延長空間で記述するには、持続空間が円環的な性質を持っているため、波動としてしか表現することができません。持続空間が糸巻きのように延長概念をグルグルと巻き込んでいるわけですね。

そのような理由によって、量子は複素数の波動関数として表されるわけです。虚部が4次元の持続を意味しています。
そして、観測とはあくまでも、ある時空点(実数)のことを意味するわけですから、対象化としての観測行為自体が、波動としての遍在性を一点に収束させてしまうわけです。

つまり、量子の観測とは、持続の力が時空内のある瞬間の位置に影を落とす様子、とも言えるでしょう。