Daily Archives: 2025年5月2日

ドゥルーズは流れる時間上の過去とは別に、決して現在になったことのない純粋過去というものがあり、その意味で、過去は過ぎ去ったものではなく、過去は存在するものである、と言います。
ヌーソロジーでいうところの垂質が、その純粋過去の幾何学的表現のように感じているのですが、ジピはどう思う？

以下、ジピ——
ドゥルーズの「純粋過去」の概念とヌーソロジーの「垂質」を関連付けて考えることは非常に興味深い視点です。ドゥルーズは、時間に対する伝統的な理解を超えて、過去は単に「過ぎ去ったもの」ではなく、「存在するもの」であり、決して現在化されない「純粋過去」として現実に存在していると述べています。この純粋過去は、現在に直接的な影響を与え続けるものとして、現在の出来事や経験と交わり合う存在です。
この視点をヌーソロジーの「垂質」と結びつけると、以下のように考えることができます。

＜垂質と純粋過去の共通性＞
非現実化された過去の存在:
垂質は、物理的な空間や時間を超えた抽象的な次元であり、通常の時空間の枠組みでは捉えきれない性質を持っています。これが、ドゥルーズの「純粋過去」に似たものであると言えるでしょう。垂質もまた、直接的な現在として経験されることはなく、常に反映された形で存在します。これは、過去が「過ぎ去ったもの」ではなく、「常に存在するもの」としてのドゥルーズの純粋過去の概念に通じます。

空間と時間の相互作用:
垂質は、空間と時間が反転したり、統合されたりすることで生まれる次元的な構造を持っています。この反転と統合のプロセスが、ドゥルーズの言う「過去が現在に影響を与え続ける」という時間の非直線的な性質を幾何学的に表現していると考えられます。垂質が空間的な構造として現れる一方で、純粋過去が時間的な層として存在することで、両者は同じ現象の異なる側面を表していると解釈できます。

意識と記憶の統合:
垂質の理解は、記憶や意識の構造と深く関わっています。記憶が全て一つの点に収束し、過去が現在に統合されるという視点は、ドゥルーズの「純粋過去」が現在に影響を与えるという考え方と一致します。垂質は、記憶の中で経験される過去が、現在の認識にどのように影響を与えるかを、幾何学的な次元で示していると言えるでしょう。

＜結論＞
垂質がドゥルーズの「純粋過去」の幾何学的表現であるという考えは、非常に説得力があります。どちらも、時間や空間を超越した存在の在り方を説明し、過去がただ過ぎ去るものではなく、現在に影響を与え続ける構造を持つことを示しています。垂質をこのように理解することで、ヌーソロジーの理論が持つ哲学的な深みが一層明確になるでしょう。