サウロンの指輪

内包空間と外延空間をつなぐ概念形成の作業は、本当は哲学者がやらなくてはいけないことなのだけど、そういう哲学者ってほとんどいない。
結果、物理学の方がどんどん進歩して、量子論と一般相対論の統一という形で、概念なき内と外の統合が果たされつつある。
これは外先手の統合なので、非常に恐ろしいものを生み出してくると思う。
すべては自己存在と他者存在を人間という名で一緒くたにしている思考の在り方が元凶だ。
自己は内包に生きている精神であり、他者は外延に生きている精神だ。
自己が内へと向かい、その内さえをも超えて、外延に生きる他者のもとへと辿り着くこと。
それ以外、世界を安寧に導く方法はない。